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名古屋高等裁判所 昭和59年(ネ)20号 判決 1984年11月29日

控訴人(附帯被控訴人、以下「控訴人」という。) 大月興業株式会社

右代表者代表取締役 杉浦吏

控訴人(附帯被控訴人、以下「控訴人」という。) 近藤昌儀

右両名訴訟代理人弁護士 山本正男

被控訴人(附帯控訴人、以下「被控訴人」という。) 中山三郎

被控訴人(附帯控訴人、以下「被控訴人」という。) 中山美樹枝

右両名訴訟代理人弁護士 尾関闘士雄

同 山田幸彦

主文

一  控訴人近藤昌儀の本件控訴を棄却する。

二1  控訴人大月興業株式会社の控訴に基づき、原判決主文第一項1(三)のうち控訴人大月興業株式会社に対し原判決添付別紙物件目録記載(三)の建物につき名古屋法務局豊田支局昭和五一年二月一〇日受付第四四八六号をもってなされた建物表示登記の抹消登記手続を命じた部分を取り消す。

被控訴人らの控訴人大月興業株式会社に対する右建物表示登記の抹消登記手続に関する請求をすべて却下する。

2  控訴人大月興業株式会社の本件各控訴中その余の部分はすべて棄却する。

三1  被控訴人らの各附帯控訴に基づき、原判決主文第一項及び同第二項中の被控訴人ら関係部分を次のとおり変更する。

被控訴人中山三郎から控訴人大月興業株式会社に対し金三二二万六六〇四円及びこれに対する昭和五七年七月二一日から支払ずみまで年一割五分の割合による金員が支払われるのと引換えに、

(一)  控訴人大月興業株式会社は

(1) 被控訴人中山三郎に対し、原判決添付別紙物件目録記載(一)の土地につき名古屋法務局豊田支局昭和五〇年七月一一日受付第二三三〇三号をもってなされた所有権移転登記の

(2) 被控訴人らに対し、同目録記載(二)の土地につき同支局同日受付第二三三〇六号をもってなされた共有者全員持分全部移転登記の

(3) 被控訴人中山三郎に対し、同目録記載(三)の建物のうち主たる建物と附属建物(1)、(2)、(5)につき、被控訴人中山美樹枝に対し、右目録記載の建物のうち附属建物(3)、(4)につきそれぞれ同支局昭和五一年二月二四日受付第六四四三号をもってなされた所有権保存登記の

(二)  控訴人近藤昌儀は被控訴人中山三郎に対し、同目録(一)記載の土地につき同支局昭和五一年二月一〇日受付第四五二三号をもってなされた所有権移転登記の各抹消登記手続をせよ。

2  被控訴人らのその余の請求を棄却する。

四  訴訟費用(控訴費用、附帯控訴費用を含む)は第一、二審を通じこれを四分し、その三を控訴人大月興業株式会社の負担とし、その一を控訴人近藤昌儀の負担とする。

事実

一  当事者の申立

(控訴人大月興業株式会社、以下「控訴人大月興業」という。)

1  原判決中控訴人大月興業敗訴の部分を取り消す。

2  被控訴人らの請求をすべて棄却する。

3  被控訴人中山三郎は控訴人大月興業に対し、原判決添付別紙物件目録記載(三)の主たる建物のうち東側から二軒目の店舗(床面積四九・五〇平方メートル原判決添付図面の斜線部分。)を明け渡し、かつ、昭和五一年一月一日以降右明渡しずみまで一か月金四万円の割合による金員を支払え。

4  被控訴人らの各附帯控訴を棄却する。

5  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。

(控訴人近藤)

1  原判決中控訴人近藤敗訴の部分を取り消す。

2  前記2、4、5と同旨

(被控訴人ら)

1  控訴人らの本件各控訴を棄却する。

2  控訴費用は控訴人らの負担とする。

3  附帯控訴として、

(一)  原判決中被控訴人ら敗訴の部分を取り消す。

(二)  被控訴人大月興業は控訴人中山三郎に対し、原判決添付別紙物件目録記載(一)の土地につきなされた主文第三項1(一)(1)掲記の所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。

(三)  控訴人大月興業は被控訴人らに対し、同目録記載(二)の土地につきなされた主文第三項1(一)(2)掲記の共有者全員持分全部移転登記の抹消登記手続をせよ。

(四)  控訴人大月興業は被控訴人中山三郎に対し、同目録記載(三)の建物のうち主たる建物と附属建物(1)、(2)、(5)につき、被控訴人中山美樹枝に対し、右目録記載の建物のうち附属建物(3)、(4)につきなされた主文第二項1掲記の建物表示登記及び主文第三項1(一)(3)掲記の所有権保存登記の各抹消登記手続をせよ。

(五)  控訴人近藤昌儀は被控訴人中山三郎に対し、同目録記載(一)の土地につきなされた主文第三項1(二)掲記の所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。

二  当事者双方の主張及び証拠関係は、次に付加、訂正するほかは、原判決事実摘示及び当審訴訟記録中証拠に関する目録記載のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決五枚目表九行目の「できなかったので、」の次に「同日、」を加える。

2  同八枚目表九行目のあとに、行を変えて、次のとおり付け加える。

「13 更に、被控訴人中山三郎は、昭和五七年七月二〇日、控訴人大月興業に対し、本件貸金の残元金とこれに対する昭和五一年一月一日以降同年七月二〇日までの年一割五分の割合による遅延損害金の合計金一億〇一三五万九四二一円を供託した。よって、前項の弁済提供が認められないとしても、本件貸金債権は、昭和五七年七月二〇日、全額弁済により消滅した。」

3  同八枚目表一〇行目冒頭の「13」を「14」に、同裏二行目冒頭の「14」を「15」にそれぞれ改める。

4  同八枚目裏一〇行目の「被告大月興業」から同九枚目表一行目までを「控訴人大月興業は、昭和五〇年七月一〇日、被控訴人らから、原判決添付別紙物件目録記載の不動産を代金七三〇〇万円で買い受けたが、その際、被控訴人らの要望により、被控訴人らにおいて同年一二月末日までに右代金に支払日まで一か月三・五パーセントの割合による金員を付加した額をもって本件不動産を買い戻すことができる旨の特約をした。そして、その後右買戻期限は昭和五一年一月三一日まで延長されたが、被控訴人らは同日までに買戻しをしなかったので、同日の経過により、本件不動産はすべて確定的に控訴人大月興業の所有に帰したものである。」に改める。

5  同九枚目表三行目を、次のとおり改める。

「4 同5項のうち、控訴人大月興業が昭和五〇年一二月三一日に被控訴人中山三郎から金一四五六万円を受領したことは認めるが、その余の事実は否認する。右金員は、前記のとおり買戻期限を一か月延長することの条件として、買戻代金の付加金として支払を受けたものであり、本来、被控訴人らの買戻権が消滅したことに伴い返還すべきものであるが、被控訴人らが本件不動産を引渡さないのみならず、賃借人に対する賃貸人の地位承継等についての協力にも応じないので、将来の損害に対処するため返還を留保しているものである。」

6  同九枚目表三行目のあとに行を改めて「5 同6項の事実は否認する。」を加え、同表四行目、一〇行目及び一一行目各冒頭の「5」、「6」、「7」をそれぞれ順次「6」、「7」、「8」に改める。

7  同九枚目裏一行目を、次のとおり改める。

「9 同11、12項の事実は否認する。

10 同13項のうち、被控訴人中山三郎が昭和五七年七月二〇日にその主張の金員を供託した事実は認める。

11 同14、15項の事実は否認する。」

理由

一  当裁判所は、被控訴人らの控訴人らに対する各請求は、主文第三項1掲記の限度で正当として認容し、建物表示登記の抹消登記手続に関する請求は訴の利益を欠くから却下し、その余は理由がないから棄却し、控訴人大月興業の被控訴人中山三郎に対する請求は、いずれも理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり訂正、付加するほかは、原判決理由第一、第二の説示と同一であるから、これを引用する。

1  原判決一一枚目裏九行目の「被告」を「原審及び当審における控訴人」に改める。

2  同一三枚目表一一行目の「譲渡担保」の次に「契約」を加え、「前示一項」から同裏二行目末尾までを「《証拠判断省略》」に改める。

3  同一三枚目裏三行目の「被告大月興業」から四行目末尾までを「原本の存在・成立に争いのない甲第七号証」に、五行目の「甲第八号証」を「甲第八、第九号証」に、「証人」を「原審証人」に、七行目の「同代表者」を「原審及び当審における控訴人大月興業代表者」に、「原告」を「原審における被控訴人」にそれぞれ改め、八行目の「結果」の次に「及び弁論の全趣旨」を加え、八行目から九行目の「昭和四九年一〇月一四日」を「昭和四九年一〇月一五日」に改める。

4  《証拠訂正省略》

5  同一五枚目表六行目の「認められる。」から八行目末尾までを「認められる(なお、右現金の授受及び控訴人大月興業が右金員を被控訴人中山三郎に返還していない事実は当事者間に争いがない。)。控訴人らは、右金員は単に買戻代金の付加金として支払を受けたものである旨主張し、控訴人大月興業代表者も原審及び当審においてこの主張事実にそう供述をするが、前示不動産売買契約書の特約文言と上記認定にかかる事実関係に基づけば、右金員は、七三〇〇万円の返済期限を延期してもらうために支払われた、それまでの利息と理解するのが自然である。」に改める。

6  《証拠訂正省略》

7  《証拠削除・付加・訂正省略》

8  同一六枚目裏五行目の「時価は」の次に「、原判決添付別紙物件目録記載(三)の建物の一部に賃借人が入居していることを考慮しても、」を付け加え、七行目の「前掲記の」から九行目の「採用できない。」までを「この認定に反する前掲乙第二号証の記載部分は、右鑑定の結果に比照してにわかに同調し難い」に改める。

9  同一七枚目表一行目及び五行目の各「原告」をいずれも「原審における被控訴人」に、一行目の「被告」を「原審における控訴人」にそれぞれ改める。

10  同一七枚目裏三行目と四行目を、次のとおり改める。

「六 前記四項2で認定した事実に《証拠省略》を併せると、請求原因5、6項の各事実が認められる。」

11  同一七枚目裏五行目から同一八枚目表五行目までを、次のとおり改める。

「七 本件貸金残額について

1 被控訴人中山三郎は控訴人大月興業に対し、前認定のとおり七三〇〇万円の債務の利息として昭和五〇年一二月三一日に金一四五六万円を支払ったのであるから、このうち利息制限法所定の年一割五分の範囲内のものを利息分に充て、その超過分を元本の支払に充当すれば、同日における本件貸金残元本は、原判決添付別紙計算表2の(1)記載のとおり金六三六九万円である。

2 次に、(a) 被控訴人中山三郎が控訴人大月興業から、本件貸金とは別に、昭和四九年一〇月一五日に金三〇〇〇万円を借り入れ、昭和五〇年三月一八日にその元利金として合計三七〇二万円(内利息分七〇二万円)を支払った事実は既に認定したところであるが、(b) 《証拠省略》を総合すれば、更に、被控訴人中山三郎が控訴人大月興業から、(イ)昭和四九年一〇月一五日に金一三〇〇万円、(ロ)昭和五〇年三月三一日に金五〇〇万円、(ハ)同年五月二九日に金五〇〇万円、(ニ)同年五月三一日に金三〇〇万円をそれぞれ借り受け、同年七月一六日にこの四口の借入金の元利金として合計金三三六七万八八〇〇円(内利息分合計七六七万八八〇〇円)を支払った事実が認められる。被控訴人らは、右(b)の四口の借入金に対して元利金合計金三五三三万〇五九〇円(内利息分合計金九三三万〇五九〇円)を支払った旨主張し、領収証によると、被控訴人中山三郎が控訴人大月興業に対し昭和五〇年七月一六日右主張の金額を支払った事実を認めることはできるが、《証拠省略》を併せると、右支払金額のうち金一六五万一七九〇円は、前示不動産売買契約書で謳われた特約に基づき、被控訴人らが負担すべきものとされた前認定の登録免許税を控訴人大月興業において昭和五〇年七月一〇日に司法書士松宮市太郎に支払ったことから、この免許税額一六三万八六〇〇円に延滞利息一万三一九〇円を付加して支払われた分と認められ、したがって、右金額は(b)の四口の借入金の返済に充てられたものとはいえない。以上の認定に供した証拠及び当審における《証拠省略》のうちこの認定に触れる部分はいずれも採用しえない。そうすると、右(a)(b)の各別口の貸金の返済金のうち利息制限法所定年一割五分を超える利息分は、原判決添付別紙計算表2(ただし、後記のとおり訂正したもの)の(2)ないし(4)記載のとおり合計金一〇九三万八一一八円であり、被控訴人中山三郎は控訴人大月興業に対して同額の不当利得返還請求権を有するものと認められる。

3 被控訴人中山三郎が控訴人大月興業に対して、昭和五一年三月一日到達の内容証明郵便で右2の不当利得返還請求債権をもって右1の本件貸金残債務とその対当額において相殺する旨の意思表示をした事実は当事者間に争いがないから、右両債権の相殺適状が生じた昭和五〇年一二月三一日において、被控訴人中山三郎の控訴人大月興業に対する本件貸金残債務は、右相殺により、五二七五万一八八二円に減じたものということができる。

4 以上によれば、被控訴人中山三郎は控訴人大月興業に対し、本件貸金残債務五二七五万一八八二円とこれに対する昭和五一年一月一日以降同年一月三一日までは利息として、同年二月一日以降は遅延損害金として、支払ずみまで利息制限法所定年一割五分の割合による金員を支払うべき債務を負担していたものというべきである。」

12 《証拠訂正省略》

13 同一八枚目裏一行目から七行目までを、次のとおり改める。

「しかしながら、被控訴人中山三郎が、本件貸金残元金とこれに対する昭和五一年一月一日以降昭和五七年七月二〇日までの利息及び遅延損害金として、昭和五七年七月二〇日、被控訴人大月興業のために合計金一億〇一三五万九四二一円を供託した事実は当事者間に争いがなく、弁論の全趣旨によれば、控訴人大月興業が当時右弁済の受領を拒んでいたことは明らかであるから、本件貸金は、右供託金額の限度で次に述べる法定充当に従い消滅したものというべきである(もっとも、右供託金額は、先に認定した本件貸金残額に不足するが、その不足額は残債務額と対比して僅少であるうえ、前項認定の事実から推せば、被控訴人中山三郎において登録免許税に相当する部分が前示別口の貸金の返済に充てられたものと誤解したことによるものと思料されるから、なお有効な弁済供託と認めるべきである。)。そして、本件は一個の債務につき元本のほかに利息及び遅延損害金を支払うべき場合であり、しかも、当事者間に充当の合意があったと認めるべき資料はないから、民法四九一条一項に従い、先ず利息及び遅延損害金に、次いで元本に充当すべきことになる。しかるときは、昭和五七年七月二一日現在における本件貸金残額は、左記のとおり金三二二万六六〇四円である。

(1)  利息・遅延損害金充当額 五一八三万四一四三円

52,751,882×0.15×(6+201/365)=51,834,143

(2)  元本充当額 四九五二万五二七八円

101,359,421-51,834,143=49,525,278

(3)  残元本 三二二万六六〇四円

52,751,882-49,525,278=3,226,604

14 同一八枚目裏八行目の「13項」を「14項」に、九行目の「被告」を「原審における控訴人」に改める。

15 同一九枚目表六行目から末行までを、次のとおり改める。

「一〇 してみると、控訴人らは、控訴人大月興業が被控訴人中山三郎から本件貸金残金三二二万六六〇四円及びこれに対する昭和五七年七月二一日から支払ずみまで年一割五分の割合による遅延損害金の支払を受けるのと引換えに、原判決添付別紙物件目録記載(一)、(二)の土地につき、そのうち(一)の土地については被控訴人中山三郎に対し、(二)の土地については被控訴人らに対し、それぞれ控訴人らのための前記各所有権移転登記の抹消登記手続をなすべき義務がある。」

16 同一九枚目裏五行目の「証人」から同二〇枚目表二行目までを次のとおり改める。

「ところで、不動産の表示に関する登記は、不動産の現況をできる限り明確ならしめるために、所有者にその登記申請義務を課するとともに、登記官においても職権をもってこれをなしうる旨定めており(不動産登記法二五条の二)、しかも、表示に関する事項は登記官の職権調査の対象とされている(同法五〇条)ことからすれば、当該表示登記の記載にそう不動産が実在する以上、真実の所有者といえども、この登記が所有者の意思に基づかず、あるいは所有者を示す記載が実体に符合しないとして、これが抹消登記手続を請求することはできないものと解すべく、この場合、被控訴人ら主張のような所有者の記載の誤りについては、同法八一条ノ七の規定に則り、表題部の所有者の更正の登記につき所有名義人の承諾を求める訴えを提起するのが相当である。しかしながら、表示登記に続いて所有権保存登記が既に経由されているときは、表題部に記載された所有者の表示は朱抹されるのであるから(同法一〇三条)、右表示の更正登記を求める利益すらもはや失われているというほかはなく、真実の所有者としては保存登記の抹消登記手続を請求すれば足りることになる。そして、朱抹された所有者の表示の復活を認めるべき明文の規定は不動産登記法に存在しないことから、表題部の「原因及びその日付」欄に「所有権の登記抹消」と記載して、登記用紙は閉鎖され、あらためて真実の所有者による申請、もしくは登記官の職権により不動産の表示の登記がなされることになる(昭和三六年九月二日民事甲二一六三号民事局長回答、昭和四四年一一月二〇日民事甲二五三〇号民事局長回答参照)。本件についてこれをみるに、《証拠省略》によると、本件建物については所有権保存登記が経由されたことに伴い、その表題部所有者欄の控訴人大月興業の表示は既に朱抹されていることが認められるから、そうとすれば、被控訴人らの右表示登記の抹消登記手続請求は、もはや訴の利益を欠くものといわなければならない。次に、本件建物についてなされた所有権保存登記は、右建物が控訴人大月興業のために譲渡担保に供されていることは前認定のとおりであり、被控訴人らはその被担保債権である本件貸金の弁済を主張して右保存登記の抹消を求めているものと解されるから、その抹消登記手続請求(被控訴人中山三郎は本件建物のうち主たる建物と附属建物(1)、(2)、(5)について、また、同中山美樹枝は本件建物のうち附属建物(3)、(4)について)は、前示所有権移転登記の抹消と同様に、本件貸金債務が弁済されることを条件にこれを認容すべきである。」

17 同二五枚目表三行目の「9,330,590」を「7,678,800」に、「7,480,866」を「5,829,076」に、五行目の「7,480,866」を「5,829,076」に、「12,589,908」を「10,938,118」にそれぞれ改める。

二  以上の次第で、(1)控訴人近藤昌儀の本件控訴は理由がないから棄却し、(2)原判決中控訴人大月興業に原判決添付別紙物件目録記載(三)の建物につきなされた前記表示登記の抹消登記手続を命じた部分は不当であり、同控訴人の本件控訴は右の限度で理由があるから、同控訴人の右敗訴の部分を取り消して、被控訴人らの表示登記の抹消登記手続請求をすべて却下するが、同控訴人の本件控訴中その余の部分はすべて理由がないからこれを棄却し、(3)原判決中被控訴人らの請求を一部棄却した部分(ただし右(2)で取り消した部分を除く。)は主文第三項1掲記の範囲を超える限度で不当であるから、被控訴人らの附帯控訴に基づき、原判決主文第一、第二項中の被控訴人らにかかる部分を主文第三項1、2のとおり変更し、被控訴人らのその余の請求を棄却する。

よって、訴訟費用(控訴費用、附帯控訴費用を含む)の負担につき民訴法九六条、八九条、九二条但書、九三条一項但書を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 中田四郎 裁判官 名越昭彦 三宅俊一郎)

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